建設業の作業者を守る熱中症対策
建設業で働く作業者を守るために熱中症対策は欠かせません。
ただ、近年は温暖化の影響かもしれませんが、夏の暑さは毎年厳しくなっています。
これまでの熱中症対策では不十分な状況が少なくありません。
もちろん、建設業に限らず、屋外作業となる現場では徹底した熱中症対策が求められます。
対策を行うことで作業者の健康を守ることができるだけではなく、企業として受注した案件を確実に完了させることや、社会的な評価も高まります。
社員の安全を守れない企業が品質の高い作業をできるとはだれも考えていません。
屋外作業での熱中症対策の具体例を見てみましょう。
日よけを備えた休憩所を適切な場所に配置することや、定期的な休憩時間を取ること、休憩所ではエアコンなどの快適な環境を確保することが重要です。
休憩時はそれで十分でしょうが、作業中もできるだけ涼しい環境を作ることが熱中症対策の効果を高めます。
散水をしたり、遮熱ネットを設置したりすれば、暑さを押えた環境での作業が可能となります。
最近は暑さ指数と呼ばれる数値を測定する機械が販売されています。
WBGT値測定器です。
その数値を参考にして、休憩の時間を早めたり、日中の作業を短い時間で終わらせたりするかどうかの判断をすることができます。
これまでは現場の責任者にすべての判断が任せられてきました。
作業員がどれくらい厳しい環境で作業をしているかを判断することは容易ではありません。
責任者だけの判断にゆだねるのは企業としての責任放置と見られても仕方ないでしょう。
そのために熱中症対策は十分すぎるほどに行っておかなければなりません。
熱中症による救急搬送や死亡などが起きてしまうと、企業としての体制の見直しが指摘されます。
もちろん、企業イメージのダウンにつながりますし、作業工程の遅れも発生するでしょう。
建設業界でも人手不足が深刻となっており、充分な熱中症対策を行うためにはゆとりを持った作業工程を立てなければなりません。
一つの企業だけではなく、現場で作業する一人一人の意識を高めることも重要でしょう。
自分の体調は自分がよくわかっていますから、熱中症の兆候を感じたら、早めに休息を取るようにすべきです。